「ねこ 誤飲 だしパック」
こんなキーワードで、このブログに辿り着いた飼い主さん!
まずは落ち着きましょう。
深呼吸〜!
我が家の猫も、先日だしパックを誤飲してしまいました。
原因は私の不注意…。
愛猫に苦しい思いをさせてしまい、本当に反省しています。
今回の一件で学んだことを、まとめました。
あくまで我が家の猫の場合は…という一例ですが、ピンチを迎えている飼い主さんとその愛猫の参考になればと思います。
- 病院で受けた検査と処置
- バリウム検査・内視鏡手術のメリットデメリット
- だしパックの素材と形状(メーカーへの問い合わせしました)
- 誤飲に繋がらないような対策
幸いなことに我が家の猫の場合は便として排出され、大事には至りませんでした。
しかし積極的な治療が必要な猫さんもいるかと思います。
一刻も早く動物病院を受診されることをおすすめします。
今回だしパックを飲み込んでしまった我が家の猫について紹介しておきます。
- 14歳、メス、避妊手術済
- わりと便秘気味で、排便は2日に1回
- 10歳でストルバイト結石が見つかったため、療養食を食べている
- 年齢とともにBUN・クレアチニン数値が上がってきている(腎不全まではいかない)
- 性格は猫らしく、気ままで気が強い
猫がだしパックを食べてしまったことに気がついたのは、ある日の朝方。
猫が吐く音が聞こえたので、掃除に行くと…
ティッシュについたのは、見たこともないような黒い細かいもの。
そして匂いも普段とは違うものでした。
「なんだこれ?…だしの匂い?」
眠気もふっとび、冷や汗がタラっと。
半信半疑ながら、猫がだしパックを食べたと仮定して、ゴミを漁ります。
味噌汁を作るのに使っただしパックが無い!!
猫が吐いた残骸の形状と匂い、そしてゴミ袋にだしパックがないことから、誤飲したと確信しました。
この時点で誤飲から、1日半が経過。
誤飲したことにまったく気がついていなかったことにショックを受けつつ、動物病院が開く時間を待ちました。
発覚が朝方だったため、猫には朝ごはんを食べさせずに、朝イチで動物病院を受診。
問診で事情を話すと、下記の検査を受けました。
- 問診
- 触診
- 血液検査
- レントゲン
- エコー
だしパックは使用済みとはいえ塩分が高いので、血液検査でその影響をチェックします。
また今後数値が上昇する可能性もあるので、その基準にするために行いました。
異物を見つけるために行いましたが、残念ながら映りませんでした。
レントゲンは金属や骨といった硬いものしか映りませんし、エコー検査もだしパックのような素材では見つからないことが多いそうです。
ここで分かったことは、今のところ腸が詰まったりといった異変はないということ。
緊急性はないようなので、注射と点滴をしてもらいつつ、今後の治療方針を相談します。
- 抗生剤、胃薬の注射
- 電解質を整えるための皮下輸液
今後の治療方針を検討する際、獣医師からは下記の2点を確認をされました。
- 本当にだしパックを食べたのか?→Yes
ゴミ袋にあるはずのだしパックが見当たらない。
だしの匂いのする液体を吐き出した。(拭き取ったティッシュを持参) - 丸ごと食べたのか?→Yes
残骸を探したが、どこにも見当たらない。
また受診の際、だしパックを獣医師に見せたところ、下記のコメントをいただきました。
・食べる際、噛み砕いて袋が破れていれば、便として排出されるかも。
・丸ごと飲み込んでいるようなら、胃から腸へ流れず詰まってしまうかも。
・胃の出口で詰まっているなら、嘔吐や食欲不振といった体調不良がおきるはず。
今後の治療としては
- バリウム検査
- 内視鏡手術
を提案されました。
それぞれの治療の概要と、良い点悪い点、その後の予想される経過をまとめます。
バリウムを飲ませ、数時間おきにレントゲンを撮る検査です。
メリット
- 異物がどこにあるのか確認できる可能性がある
- 麻酔が不要
- バリウムは重い液体なので、だしパックが押し流されて、便として排出されるかも
デメリット
- バリウムを強制的に飲ませて、数時間おきにレントゲンを撮るので、猫にはそれなりにストレスがかかる
- 取り出せるわけではないので、根本的な解決にならない
今後の処置としては
- 詰まっていることが確認できたら→翌日開腹手術を行う
- だしパックが確認できなかったら→すでに腸に流れている可能性が高い。便として出てくるかも。
もしくはバリウムには絡まないような、胃の壁に張り付いている可能性もある。
その場合は数年後に症状が現れる場合もある。
麻酔をかけて、口から内視鏡を入れる検査です。
メリット
- 目で見て確実に、異物が確認できる
- だしパックが細かくなっていれば、そのまま摘出も可能
デメリット
- 全身麻酔となるため、腎機能が弱ってきている高齢猫には負担が大きい
- すでに異物が腸に移動している可能性が高いので、発見できないかも
今後の処置としては
- 内視鏡で異物が発見できたら→その場で摘出し、麻酔が覚めた頃帰宅できる
- だしパックが大きい塊のまま発見されたら→そのまま手術に移行する。入院期間は1週間くらいを予定
我が家の猫は腎機能の低下しつつある14歳。
内視鏡で異物を確実に取り出したいという気持ちはありつつも、全身麻酔の影響を考えると、内視鏡手術をすぐに選択することはできませんでした。
普通猫の食べたものは2日程度で排出されるとのこと。
この時点で誤飲から1日半が経過していることから、排出されることを祈りつつ、バリウム検査の予約をしました。
帰宅後の猫は、食欲も旺盛で、排便排尿もいつも通り。
わりと元気な様子です。
だしパックの排出(排便でも嘔吐でも)を促すため、水分は多めに飲ませて、ご飯もいつも通りにあげました。
翌日も電解質を整えるための皮下輸液を受けに通院。
そして発覚から3日目!(誤飲から5日目)
ついに便の中にだしパックの袋が混じって排出されました!
思わず写真を撮りましたね(笑)
ブログに載せることはしませんが、どんな感じで排出されるかが気になる方は、お申し付けください。
→お問い合わせはこちらから
その後も本人(本猫?)は元気なのですが、異物排出後に下痢と下血の症状がありました。
獣医師によると、だしパックの素材が腸や結腸を通過する際に擦れて傷ができたのであろうとのこと。
整腸剤を飲んで、1週間程度で完治となりました。
私が普段愛用しているのは、茅乃舎のだしパック。
風味豊かで美味しくて便利で、以前から愛用していますが、美味しいのは猫も一緒なんですね。
今回の一件で、だしパックを今後も使うならば、注意する点があると心から反省しました。
お味噌汁には必ずだしパックを使っています。
もうお味噌汁の具に悩まない!具沢山味噌汁を作ってみませんか?だしパックの誤飲発覚の翌日。
便として排出されることを祈りつつも、いてもたってもいられず、だしパックについていろいろと調べてみました。
「だしパックはお湯の中で煮出すわけだから、体内で簡単に分解されるわけはないよな…」
とは思いつつも、まずは袋の素材について調べてみました
茅乃舎さんのパッケージにはこんな表示があります。
だしパック:
P=紙(パルプ)
PET=ポリエチレンテレフタレート
この記号は「容器包装識別表示」といって、国で表示が統一されているものです。
つまり、だしパックの材質は「紙」と「PET」でできているということがわかります。
またアンダーバーのついている材質の方が、「主たる材質」を表しているため、パックの半分以上は紙でできているようです。
でも紙は体内で溶ける可能性があるけど、「PET」って分解されないのでは?
これについても調べてみると「毒性はない。熱水に弱い」と書いてあります!
体内で溶けず、胃や腸で詰まってしまうのでは?と心配していましたが、材質の大半が紙ということがわかりました!
若干の希望が湧いてきましたよ。
材質が「紙とPET。紙の方が多い。」ということは分かった。
ではいったい比率はどのくらいなのだろう?というのが次なる私の疑問でした。
【1% 対 99%】と【49% 対 51%】じゃ、雲泥の差があるよね
また、あの小袋のどの部分が紙で、PETはどのように配合されているのか、その形成方法も気になりました。
もし袋の内側にうすーくPETが貼られている形状だった場合は、胃や腸に張り付いたり、消化物の進行を妨げてしまいそうな気がします。
この件については調べてもわからないので、茅乃舎さんに電話で問い合わせてみました。
- 材質は紙が99%、PETが1%
- 形成方法はそれぞれ粉々の状態で、熱を加え伸ばしている
- 絶対ではないが、動物の誤飲についても配慮しているので、そのうち排出されるはず
コールセンターの方は、お忙しいのに我が家の猫のことを心配してくださり、袋を作っている工場に問い合わせて折り返し連絡をくださいました。
その節はありがとうございました!!
【追記】(2021年4月)
最近購入した茅乃舎さんのだしパックの外袋を確認したところ、表記が変更されていました。
今回ブログを書くにあたり気になったので、店舗で尋ねてみましたが、素材の変更はないそうです。
猫がだしパックを誤飲した時、できることをまとめます。
猫の誤飲に気がついたら、なるべく速やかに動物病院を受診しましょう。
誤飲後すぐならば、吐き出させる薬があるそうです。
誤飲に気がつくのが日中とは限りませんので、夜間の救急体制がある動物病院を調べておくのもおすすめです。
受診の際は必ず、食べてしまっただしパックと同じものを持参してください。
獣医師と形状についての認識のズレがあると、正しい処置が受けられない可能性があります。
またこんなお話も聞きました。
ネット上で見かける「塩を舐めさせて吐かせる」という方法は、おすすめしません
ただでさえ塩分濃度の高いものを食べてしまっているわけですから…
塩を舐めることで口から泡を出したり、少量吐いたりすることはあるそうですが、飲み込んだ異物を吐き出すまではいかないことが多いそうです。
今回の「だしパック誤飲事件」でかかった治療費は、3万円程度で済みました。
しかし開腹手術となると、ペット保険に入っていない場合は何十万円と支払うことになります。
実際に我が家でも、数年前にもう1匹の猫が尿路結石に罹り、1週間の入院手術で80万円ほどかかりました。
うちの子はすでに10歳を超え、シニア用の動物保険にしか入れませんが、まだ若い猫さんを飼われている方は、ぜひこの機会にペット保険をご検討いただきたいと思います。
ぶちゃけ金銭面の余裕は心の余裕!
猫の病気や事故の際、よりよい選択肢を取れると思いますよ。
猫の誤飲は、やはり飼い主に責任があると思っています。
今回の一件も、私がだしパックを生ゴミの袋の中に入れて放置してしまったことが原因でした。
以前はこちらのビニール袋をかけるタイプの生ゴミ入れを使用していました。
この生ゴミスタンド、とっても便利なんです!
使わない時は小さく畳めるし、ゴミ入れ以外にも水筒やペットボトルを乾かすのに使えるし…
しかし、大切な猫の命には変えられません。
今後は猫に誤飲をさせないため、こちらの蓋付きの商品に買い替えました。
使い始めて数ヶ月経ちますが、ゴミ箱の中にだしパックのようないい匂いのするものが入っていても、猫は自力で開けることはできないようです。
長らくのお付き合いありがとうございました。
きっとこのブログを読んでくださっているあなたは、猫と共にピンチを迎えているのではないかと思います。
あくまでも我が家に起きた一例ですが、少しでも私の体験が参考になればと思います。
今回は誤飲したのがだしパックでしたが、猫の誤飲はおもちゃや紐、輪ゴムなどが多いそうです。
愛猫の命を守るため、危険なものは使ったらすぐにしまうなど、飼い主としてできることを確実にやろうと思っています。